Xviveさんのイヤモニ体験モニターに当選させていただきましたので、エレキバイオリンでの使用感レビューを書きました!
※このレビューは2021年6月のものです。
1.モニタリングってなに
2.エレキバイオリンパートは何を聞く?
3.XV-U4の使いどころ
4.バンドライブ、オケライブで使ってみた感想
5.楽器用ワイヤレスとの混線に注意
6.まとめ
7. レビューセッションライブを企画しました! (参考動画)
1.モニタリングってなに
モニタリング:
読んで字の如く、自分の出した音やメンバーの出す音を聴いて演奏に反映させること。
練習スタジオでの聴こえ方とライブハウスでの聴こえ方は異なります。建物や設備、アンプやスピーカー、ドラムの配置・種類も違うので当然ですね。
なので、ライブハウスではPAさんがバンドメンバーがモニタリングしやすいように、お客さんが心地よく音楽を楽しめるように、みんなの聴こえ方を調整してくれます。
中音(なかおと):
ステージの中での音。これに対して外音(そとおと)という、客席での音があります。
バンドメンバーの演奏しやすい音が、お客さんにとっていい音とは限りません。
実はライブハウスでの音は、ステージ上とPA(Public Address)さんが作る客席では違って聞こえています。
配信での音:
コロナ渦で急速に広まった配信ライブのために、中音、外音のほか、「配信に乗って聴こえる音」という概念が出てきました。
配信有りの有観客ライブとなった場合、PAさん(配信専門のスタッフがついているハコもあります。)はお家やスマートフォンのスピーカーで聴く人のための音作りもしなくてはなりません。
ライブのリハーサルでは
「ボーカル返しもっと下さい!」
「ギター返し小さくして下さい!」
など、各メンバーがPAさんにオーダーを出して中音のモニタリングを調整してもらいます。
返し:
ステージの横や下にあるスピーカーからの音の大きさ。アンプから出る自分の音以外に、スピーカーから任意の音を出してもらえます。
リハーサルでは、いかに素早く中音を調整して、本番の演出や演奏をチェックする時間を取れるかが大事になってきます。
専属PAを持たないアマチュアバンドマンやノマドなセッションマンは、何があっても・どんな場所でも・誰がメンバーでも、スタジオ練習時に近い音が作れる装備を整えておきたいところです。
2.エレキバイオリンパートは何を聞く?
ステージで何をモニタリングするかは人によりますが、私はフレットレス楽器を使用するので「自分の音」です。
アンプの出音がしっかり聞こえないと、ピッチやテンポを正確に判断してリアルタイムに是正できません。
また、胴のないエレキバイオリンであっても、楽器を顎で挟んで演奏するので、耳元で鳴っている原音はとてもよく聴こえます。
空間系エフェクター、特にハーモナイザーやピッチシフターなど元の音を変化させるエフェクトをかけた場合、アンプの出音が常に原音に邪魔されている状態。
JC-120を縦置きにしたり、下に何か挟んで少し傾けてみたり、ミニアンプ(RolandのMOBILE CUBE)を持ち込んで、マイクスタンドに設置して耳の高さに置いてみたり…
アンプから出ているエフェクトのかかった音の方を、しっかり聞けるような工夫が必要です。
3.XV-U4の使いどころ
正直、アマチュアが出る規模(キャパ100~200人)のライブハウスで設備の整っている所では、個人的には必要ありません。
ではなぜキャンペーンに応募したかというと、機材設備の整ったライブハウスでバンド演奏することが減り、ライブバーなどでバック音源を流してのソロ・サポートライブが多くなってきたから。
アンプを使ったモニタリングが出来なくなってきたのです。
・コロガシや左右スピーカーから、オケ音源と一緒に出てくる自分の出音が、耳元で鳴る原音より聞き取りにくい
・そもそもスピーカーが足りないので、モニタリングはボーカルを優先せざる負えない。
そんなときに、サッとエフェクターボードに挿して自分の出音を耳元で確認できるイヤモニは頼れる機材です。
PA側に挿せば、オケ音源やボーカルの声もミックスして出してもらうことが出来ます。
4.バンドライブ、オケライブで使ってみた感想
というわけで早速ライブで使ってみました。
IRキャビネット・シミュレーター「OMNI IR」の各出力端子に
- モノラル・フォーン出力:イヤモニ
- XLR出力:PAミキサー
- THRU 出力:ステージアンプ
を接続しました。
2021年6月20日
お毒味BAND(Vo/Vn/Gt/Ba/Key/Dr)ワンマン配信ライブ
お毒味BANDは何度もスタジオに入っているメンバー固定のオリジナルバンド。
ライブハウスもしょっちゅうお世話になっているclub MERCURYさんなのでモニタリングで困ったことはありません。
しかし今回は配信ライブだったので、配信に乗せて届く音を確認するためにイヤモニをつけてみました。
「もう少しリバーブを足そうかな」
「思ってたよりもハイがキツいので、イコライジング見直そう」
などなど、実際にお客さんに届いている音と、アンプから出ている現場の中音との差分がよくわかります。
本番はイヤモニなしの状態で挑みましたが、リハーサルでの音作りに大いに役立ちました。
自分のステージを配信で観たとき「ラインを通した音と、アンプで作った中音がだいぶ違うな」と思う人は、音作りのために導入してみても良いかもしれません。
2021年6月21日
Relations Vol.60(オケ音源)配信ライブ
一方、こちらはオケ音源に合わせて弾くシンガーイベント。
アンプの無いライブバーである日本橋UPsさん。
ライブハウスでの生バンド演奏とはまったく環境が異なります。前回出演した時もオケ音源と自分の出音のバランスが難しく、個人的には難易度の高い場所でした。
今回イヤモニを導入したことで、モニタリングは前回よりしやすかったです。
5.楽器用ワイヤレスとの混線に注意
使用しているとやはりワイヤレス同士干渉することがあります。
イヤモニから出る音がプツプツ途切れたり、楽器用ワイヤレスの音が途切れたり。
普段使用しているBOSSのワイヤレスWL-50は、最適なチャンネルを自動で設定してくれるのですが、たまにレシーバーに挿してリセットしてやらないと再設定できなくなってしまうことがあります。
本番中に不具合が起きた場合は、もうレシーバーのインプット・ジャックにシールドを差してワイヤードにしてしまったほうが早いです。
このイヤモニの他に、メンバーが使用している別のワイヤレスや、スタジオだったら別の部屋で使用されているワイヤレス。ボーカルのワイヤレスマイク。機材の近くに置かれたスマートフォン。
混線の要因は色々ありますが、まずは
- メンバー同士でチャンネルの割当をしっかり決めること。
- WL-50を使っているなら、念のため、他のワイヤレスが作動してからチャンネル設定をさせること。
- ブッキングライブなら、自分のステージ以外ではトランスミッターの電源を切ること。
はしっかり守っておきたいところです。
6.まとめ
とにかく不確定要素が多かったり、設備の整っていない環境では、1つ持っていたほうが解決方法の選択肢が増えるので損はないかなと思います。
ポーチに入る程度の大きさだし、値段にもお安いし。
環境の整ったライブハウスでも、セッションやメンバーが固定ではない企画バンドで演奏することが多い人は便利かも。メンバーの個性に左右されず、ある程度いつもどおりに自分の出音が聞けるので安心です。
他には、配信ライブをよくやるようになってきた人は、出音をアンプとDIに分けて、配信で出ているラインの音を自分で確認する用にも良いかもしれません。
しっかり運用するには、「イヤモニでモニタリングする」という慣れが新たに必要ですが、メリットも多いので、現状のモニタリングに不備を感じる人は試してみてはいかがでしょうか。
すでに所有している機材厨諸兄には、株式会社デザインフィルの文房具ブランド「MIDORI(ミドリ)」のメッシュポーチが、2部屋に分かれていて充電器・変換プラグと本体を分けて入れられるので便利であると情報共有しておきます。
ってことで、モニタリングをイヤモニに限定した(コロガシ撤去!)レビューセッションライブを企画しました!
iSON!Cのichiro(いっちー)さんと一緒にイヤモニだけでモニタリングするという誰得ライブを開催!
実際の使用感を、ボーカル・ギタリスト・ベーシストにもインタビューしています。