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エレキバイオリン・ACOUSTIC REVIVE電源ケーブル比較レビュー

とあるスタジオで高級電源ケーブルをお貸りすることができましたので、エレキバイオリンでそれぞれの音色を比較録音をしてみました!
素人演奏で分かりにくいかとは思いますが、使用感も含めてレポートしていこうと思います。
高級電源ケーブルの導入をお考えの方はご参考までにどうぞ。

■使用楽器
・YAMAHA エレクトリックバイオリン YEV104
・エフェクターボード

■使用アンプ
Roland JC-120

■接続方法
【コンセント】→【電源ケーブル】→【エフェクターボード】→【バイオリン】→【アンプ】

■録音
エア録り:iPhone アプリ「PCM録音」

■解析アナライザ
PAZ Analyzer

■比較電源ケーブル
・もともと使用していた Ainex/ACP-18B
・エントリーモデル AC-2.0 TripleC
・プロ向け POWER STAGE
・プロ向けフラッグシップモデル POWER STUDIO

※このレビューは2023年6月のものです。

目次

  1. Ainex/ACP-18B
  2. AC-2.0 TripleC
  3. POWER STAGE
  4. POWER STUDIO
  5. まとめ

Ainex ACP-18B

もともと使用していた、パソコンなどに使う一般的なもの。

長さ:1.8m
価格:約¥1,000-

汎用品 Ainex ACP-18B
汎用品 Ainex ACP-18B

こちらを基準に、以下のACOUSTIC REVIVEを聞いてみてください🐿

ACOUSTIC REVIVE AC-2.0 TripleC

ケーブル導体の素材にPC-Triple-C※¹を使用するACOUSTIC REVIVEの技術を安価に使えるエントリーモデル。シースや絶縁体にはトルマリン含浸ポリエチレン(PE)※²が使用されています。

長さ:2.0m
定価(税別):¥19,800-

■ケーブル
ケーブル自体は切り売りもしている赤い「AC-TripleC4800」。こちらにカーボンシールドメッシュチューブ(CSF)が巻かれています。

■プラグ
‎明工社のホスピタルグレード「ME2591」。電極はホット無メッキ真鍮、コールドとグランドは真鍮ニッケルメッキ。定価¥2,000-ほどの医用接地プラグです。

■インレットコネクタ
SCHURTERの「4781」。定価¥1,000-ほどの汎用コネクタです。

AC-2.0 TripleC
AC-2.0 TripleC

アナライザ上ではそこまで違いが見えませんが、実際に聞くと汎用品に比べて格段に音の解像度が高くなったと感じました。細かい音のニュアンスが分かりやすくなっています。
ポリエチレン素材はスレキズが付きやすいのでメッシュチューブで保護しているのも嬉しいポイント。

ACOUSTIC REVIVE POWER STAGE SS-CP-3PRD-20

スタジオやステージでの使用にフォーカスしたプロ向けライン「ACOUSTIC REVIVE SS」の中で取り回しに優れたモデル。仕様はAC-2.0 TripleCと似ていますが、メッシュチューブが巻かれておらず、プラグとインレットコネクタが違います。

長さ:2.0m
定価(税別):¥17,500-

■プラグ
‎明工社のホスピタルグレード「ME2591XXR」。ME2591の色違いの赤。こちらに貴陽石処理※³(ネジと導体に茶色い貴陽石の粉末が塗布されている。)が施されています。

■インレットコネクタ
SCHAFFNERの「IEC LOCK REWIREABLE」。偶発的な切断を防止する機構がついた定価¥1,300-ほどのロック式コネクタです。

POWER STAGE
POWER STAGE

アナライザ上では125〜250 hz の低〜中低域が強くなっています。
しかし、現場で聞くとAC-2.0 TripleCに比べて少し音が細い感じがしました。125hz以下の低音域が弱いせいかもしれません。原音に多少味付けがされたようにも思えました。
バンド内での音ならこちらのほうが扱いやすいのかもしれませんが、オケ音源に合わせてのソロ演奏やアコースティックでは、個人的にAC-2.0 TripleCの方が自然な気がして好みでした。一緒に聞いていたドラマーはPOWER STAGEが好みのよう。

ACOUSTIC REVIVE POWER STUDIO SS-CP-3PVL-20

ACOUSTIC REVIVEのハイエンドケーブルTripleC8800に、FURUTECHのプラグを装着したケーブル。

■ケーブル
ケーブル自体は切り売りもしている紫の「POWER STANDARD-TripleC8800」。PC-TripleC導線を極限の精度で撚り、断面積3.5mm²の太さで採用。迷走電流の発生を低く抑えているとのこと。

■プラグ
FURUTECHのオーディオグレード 電源用無メッキプラグ「FI-11MCU」。金属ブレードは、-196℃ の超低温&特殊電磁界処理を施した無メッキ無酸素銅(OFC)製。定価¥5,500-の高級プラグです。さらにファインメットビーズ※⁴を搭載し、ACOUSTIC REVIVE独自の貴陽石処理済。

■インレットコネクタ
FURUTECHのロジウムメッキ仕様「FI-15 PLUS(R)」。定価¥5,280-の高級コネクタです。

長さ:2.0m
定価(税別):¥34,000-

POWER STUDIO
POWER STUDIO

実際に聞くと音が太く解像度も高い、さすがの一品。低~中域のレンジが広く安定しています。
ですが、AC-2.0 TripleCと比べ、14,200円もの差はそこまで感じられませんでした。
エフェクターボードに差し込みにくい大きなインレットと、太くて重いケーブルを考えると、AC-2.0 TripleCのほうが取り回しが良いので、コスパ的にもそちらのほうが自分には合っていると感じました。


まとめ

というわけで、私はAC-2.0TripleCを購入しました!
一般的な電源ケーブルに比べ、ACOUSTIC REVIVEの解像度の高さには驚かされましたが、エントリーモデルとプロ向けラインの大きな違いである貴陽石処理の効果は劇的には体感できませんでした。

あくまで「とあるスタジオで試したパッシブピックアップ搭載のエレキバイオリンでの個人の感想」なので、ギタリスト・ベーシストはご参考までに。


※¹:PC-Triple-C(ピーシートリプルシー)
原材料にミクロン単位で不純物を完全に取り除いた古河電工製の無酸素銅(OFC)を使用し、特殊な鍛造製法によって銅の結晶粒界を電気の流れる方向へ整えた導体。

※²:トルマリン含浸ポリエチレン(PE)
マイナスイオンを発生させるトルマリンパウダーを含浸した素材。ケーブル自体の帯電を防止する。

※³:貴陽石処理
ACOUSTIC REVIVE本社のある群馬県・長石御座入鉱山でしか採ることができない天然鉱石。ケイ酸アルミニウムを主成分とする。トルマリンの10倍以上のマイナスイオン発生量を誇り、帯電を防止し、電源ノイズ軽減効果があるとされる。

(ネジと導体に茶色い貴陽石の粉末が塗布されている。)

※⁴:ファインメットビーズ
日立金属の登録商品。各種サージ電流・電圧を抑制し、電源ノイズとグラウンドノイズ除去に効果。


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